『岩波仏教辞典』
中村 元・福永光司・田村芳朗・今野 達共編/岩波書店刊/定価5,800円

 「縁起が悪い」「他力本願なことじゃだめだ」など、仏教の言葉が本来の意味とはかけ離れた使われ方をする場合がある(ちなみに「縁起」はよしあしをいうのではなく一切は関わりあっているという真実、「他力本願」とは他人頼みではなく仏が衆生救済を願う心を表わす)。仏教用語が日常に溶け込んでいる証しでもあるが、逆にいえば本来の仏教の心が失われていることでもある。

 仏教の敷居の高さの1つに、言葉が難解な点が挙げられる。しかし、仏教徒であるならば、基本的な言葉の意味は、すっかり理解していなくても、すぐに調べられるぐらいの準備はしておきたいものである。

 本書は、高価で希少ななものが多い仏教辞典の中でも比較的入手しやすいものである。是非とも座右に置いておきたい一冊である。