『人生の目的』
五木寛之著/幻冬舎刊/定価1,500円

 大ベストセラーとなった『大河の一滴』の続編ともいえるのが本書です。この本はバブル後の現代人の心の迷いや、よりどころを求める気持ちに応える内容になっています。

 本書は文芸書のベストセラーとして書店に並んでいますが、仏教書といえる内容を持っています。『歎異抄』第三条の善悪の問題に触れた「信仰について」という章を読んでいると真宗のご法義について書かれた本ではないかと思えるほどです。ここで著者・五木寛之は、すばらしい文章で過不足なく『歎異抄』第三条の心を説明しきっています。筆者の表現力と、作家活動を休止して龍谷大学に学んだことによる仏教・真宗に対する深い理解の結晶といえるでしょう。また、「あとがきにかえて」は深く考えさせられる内容をもっています。

 難解な仏教の専門語が出てくる本は苦手だが仏教の考え方には興味があるという人、自らのかかえる悩みの解決に方向性を与えてくれる本を探しているという人に勧めたい本です。