『仏教とっておきの話366・秋の巻』
ひろさちや著/新潮社刊/定価1200円

 著者のひろさちや氏は別の著作の中で次のように述べている。

 「わたしは仏教学者ではない。ときに講演会等において、そう紹介されることもあるが、自分では学者じゃないと思っている。わたしは、『ブディズム・ライター』を自認している。適当な訳語がないので困るが、まあ、『仏教評論家』といったところか。あるいは、『仏教解説者』でもよい。アメリカなどには、サイエンス・ライターと呼ばれる人がいる。わかりやすい科学の解説記事を書く人々である。科学の専門用語を使われたのでは素人はお手上げである。それでその人たちは、専門用語を使わずに科学の解説をする。かといって、レベルを下げるのではない。高度な内容を素人でもわかるように解説するのだ。それが出来て一流のサイエンス・ライターである。わたしは、仏教の分野で、このような仕事をしようと思っている。」

 日常生活に仏教的なものの考え方を取り入れるという点において、ひろさちや氏の書物は誰にでも勧められる。『仏教とっておきの話』は、一日一話の形になっていてたいへん読み易い。既刊の『春の巻』『夏の巻』もあわせて読んでいただきたい。