『わたしの浄土真宗―三つの質問に答える―』
藤田 徹文著/法藏館刊/定価1,800円(税別)

 仏教は、生死出離の道を明かすものです。生死とは、確かな『いのち』のよりどころを見失い、「私が、わしが」と、小さな自我に執着し、自らの『いのち』の在処と方向を見失って五悪趣を彷徨うことです。そのような生死という『いのち』のあり方から、どう出、どう離れるかを説くのが仏教なのです。世の中が不安定になればなるほど、『いのち』のよりどころを明らかにする宗教を求める傾向は強くなりますが、今まで宗教に縁のなかった人びとは、真の宗教を見つけ出せずに、人間の自我を拡大させ、欲望を単純に肯定して自他の『いのち』を傷つけていく偽似宗教、宗教モドキのものにひっかかり、かえって生死の迷いを深めていくことになってしまいます。宗教とは何か、なかでも仏教は何を説くのかを、多くの人の宗教に対する思い込み、すなわち、「先祖供養・精神修養・現世利益」を通して考えたのが本書です。著者は、この本を通して仏教を学ぶ基本姿勢を明らかにしようとしています。