『信じるものはなぜ救われないのか Part2』

日野英宣著/白馬社刊/1500円

 変わった題名だが、れっきとした浄土真宗の本である。

 真宗佛光寺派の総務にして工学博士という肩書きを持つ著者が、仏教・真宗の教えを実生活で生かす指針を簡潔平易に述べている。現代人のためのやさしい仏教入門書として好評だった前著の続編で、1〜4章では50の質問に答える形で仏教・真宗の基本的な思想を説く。

 信ずれば救われるのではなく、人は信じられていることを確信してこそ救われる。故人が仏になるかどうかは本人の信心の有無ではなく、残された者が、「この人のおかげで、この人あればこそ」というものが見つかるかどうかで決まる。亡くなった人は迷わない。迷うのは生きているわれわれである。徳を積んで助かるのではなく、助かっているから徳が積めるのである、と歯切れよく宗教・仏教・真宗をめぐる疑問に答えていく。

 第5章では、いじめ、凶悪犯罪の背景に、自然人類学でいう「自己家畜化現象」があると指摘するなど、社会問題に鋭く切り込んで持論を展開している。