ご本尊


  お仏壇は、なんのためにお備えするものでしょうか。先祖を祠るため?死者供養のため?そうではありません。浄土真宗にとってお仏壇は、亡くなった人のためのものではなく、私たち自身のためのものです。
 お仏壇の中にはいろんなお道具が飾ってありますが、一番大切なものは、何と言っても「ご本尊」つまり仏さまです。浄土真宗のご本尊は、阿弥陀如来です。阿弥陀如来は、私たちの世界とは別の、はるか彼方の世界におられながら、無限の光を放って、私たちに向かって絶えずはたらきかけておられます。この阿弥陀如来の世界を「浄土」といい、浄土は私たちが救われていく故郷ということができます。私たちは浄土を想うとき、この世で日暮らしする自分自身の本当の姿に気づかされていきます。信心というのは、阿弥陀如来の光を通じて、おのれの真実の姿を見すえていくことにほかなりません。
 ところが、浄土という世界は、色もなければ形もない、人間の五官ではとらえることのできない永遠絶対の世界といわれます。ただ他力の真実信心においてのみ、聞くことのできる世界です。そこでお仏壇の登場です。お仏壇は、その目に見えない浄土を目に見える形に表わしたものです。お仏壇に向かって静かに手を合わせるとき、私たちは浄土を想い、浄土を身近に感じていくことができるのです。いわばお仏壇は、それを通じて真実信心をいただき、信心をみがいていくためのものです。決して、死者をまつるところだとか、先祖の魂が宿るところだとか思わないでください。

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